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彼に運命共同体と言われたら脈あり?結婚の決め手になる見極め方

イベントの二次会で、隣の席の女性がぽつりとこぼした。32歳、交際3年。彼から、俺たち運命共同体だからさ、と言われた。

うれしかったそうだ。ところが家に帰ってその言葉を調べたら、出てきたのは会社の共同創業者の話だったり、逃げられない関係みたいな説明だったり。深夜にスマホを握ったまま、え、これ喜ぶところじゃないの…?と固まったんだって。

その相談を受けたの、私はこれで3人目。

目次

恋愛のために作られた言葉じゃない

もともとは、栄えるときも傾くときも先行きを共にする集団を指す言い方。家業、共同創業者、事務所と所属タレント。夫婦に対して使われることも多い。恋人へ向けて放つには、正直ちょっと大ぶりな語彙なんですよ。

だから受け取り方が真っ二つに割れる。何があっても降りないという誓い。もう降りられないという通告。同じ五文字なのに、意味が反対側まで届いてしまう。

言った側の頭で起きていること

サークルを長く回していると、このセリフを使う人のパターンが浮かんでくる。

一番多いのは、感情表現が下手な人の遠回り。好きだ、大事にしたい、が照れくさくて、少し硬い言葉に逃げる。仕事で使い慣れた語彙をそのまま持ってきちゃうやつ。悪気なんてゼロ!

結婚を意識し始めた合図として出る場合もある。住む場所や生活費を頭の中で計算し始めた男性は、恋人という呼び名が急に軽く感じられるらしい。プロポーズの助走として、まず重めの言葉を置いてみる。

三つ目、仲間としての信頼。恋愛感情というより、同じ船に乗る相棒への評価。甘い言葉を期待していた側からすると、じわっと切なくなるやつです。

厄介なのは残り二つ。自分が抱えた問題を共有物に変えたいとき。相手の行動範囲を狭めたいとき。この二つは、言葉のあとに続く要求で正体が出る。

面白いのが、逆の立場でも同じことが起きるという点。29歳の男性が、彼女からこの言葉を投げられて距離を置いた話がある。重かったから逃げたわけじゃない。その直前に彼女が仕事を辞めていた。だから彼の耳には、支えてほしいという合図として届いた。

言葉だけを取り出して意味を測っても、たぶん外す。その時期に相手の身に何が起きていたか、セットで読むしかないんだよね。

運命の人を探していた女性が、探すのをやめた話

婚活寄りの回に何度も来ていた女性がいた。運命の人に会いたいんです、が口ぐせ。会うたびにその話。

3年後、彼女は結婚した。相手は、初対面のときに彼女がぜんぜんタイプじゃないと言い切っていた男性(笑)

運命の人という発想は、出会った瞬間に正解が決まっている前提に立っている。運命共同体のほうは、正解にしていく作業を指す。片方は探すもの。もう片方は組み立てるもの。

彼女の言い分はこうだった。探すのをやめたら、目の前にいた。

似た話で、相性がいいだけの人との区別もある。好きな音楽や食べ物が揃う相性は、初対面の30分でめちゃくちゃ効く。イベントで盛り上がるのはほぼこれ。ただ、3年後に効いてくるのは、嫌なことへの反応が近いかどうか。汚れた部屋の許容範囲。人に迷惑をかけたときの謝り方。時間に遅れる人への態度。この揃い方は、初対面ではまず見えない。

ドキドキが減ったのは、壊れた証拠じゃない

結婚8年目の男性が、ハイボール片手にあっさり言った。妻にドキドキはもうしない、と。

でもさ、と続く。前の年、奥さんが救急搬送された日。彼は当日のプレゼンを部下へ丸投げして病院に走った。上司には後で頭を下げればいい、それしか考えなかったって。

心理学者のエレイン・ハットフィールドは、燃え上がる愛と穏やかに続く愛を分けて説明している。燃える側は時間とともに落ち着いていく。落ち着いた先に何も残らない関係と、別の結びつきが育つ関係に分かれる。

ロバート・スタンバーグは愛を、情熱、親密さ、関係を続けようとする意思の三つで捉えた。運命共同体という言葉が拾っているのは、三つ目のところ。

ときめきの減少を関係の劣化として計算に入れると、判断が大きくズレる。ここ、けっこうな人数が転ぶ場所です。

幹事を一緒にやらせると、地が出る

サークル運営でしか得られない観察がある。付き合っているカップルに、イベントの受付を二人で任せてみる回があるんですよ。

予約人数と実来場者がズレる。席が足りない。遅刻者から連絡が飛んでくる。バタバタしている最中に、二人の関係の中身がむき出しになる。

片方が焦って責め始めるのか。黙って動き出すのか。落ち着いてから、さっきはごめん、と言えるのか。

結婚まで進んだ組は、ここでの動き方が似ていた。困りごとを相手の落ち度に変換しない。そのうえで、自分の担当を勝手に増やしていく。

会場のダブルブッキングが起きた日のことは、まだ覚えている。列が伸びていくのに、彼氏のほうはスマホを見て突っ立ってた(泣)その隣で、別の彼氏は近所の店に電話をかけ始めていた。誰にも頼まれていないのに。

後者のカップルは翌年に籍を入れた。彼女いわく、あの日に決めたそうです。

逆に、正論で殴り合って勝ったほうが疲れて終わる組。

相手が見えるのは、うまくいっている日じゃない

旅行に行けば分かる、とよく言われる。あれ、半分くらいしか当たっていないと思っています。

計画どおり進んだ旅行では、二人とも機嫌がいい。機嫌のいい人間はだいたい優しい。見えるのは、予定が崩れた側の日。

台風でイベントを前日に飛ばした年があった。参加予定だったカップルから届いた連絡が、そのまま二人の関係の縮図になっていた。

一方は、残念です、また次回、の一行。もう一方からは、返金作業大変ですよね、手伝えることあれば言ってください、と続いた。後者の彼女は、彼が勝手に打ったメッセージだと後で知って驚いていたらしい。

崩れた予定の前で、自分の損だけを数える人か。周りの損まで視界に入る人か。これ、結婚してから何十回も出てくる分岐です。

見極めたいなら、機嫌のいい日を待たないほうがいい。体調が悪い日、金欠の月、仕事で詰んでいる週。そこに立ち会える距離まで近づいて、はじめて材料が揃う。

結婚の決め手として、実際に効いてくる場所

サークルで出会って結婚した人たちに決め手を聞くと、話が似た場所へ落ちる。顔でも年収でもない。喧嘩したあとの立て直し方。

夫婦研究で知られるジョン・ゴットマンは、口論の途中に差し込まれる小さな和解の合図を修復の試みと呼んだ。冗談を挟む。飲み物を置く。少し黙って隣に座る。この合図を受け取れる相手かどうかで、その後の年数が変わってくるという。

この合図、必ずしも言葉の形をしていないのがややこしいところ。34歳の男性は、彼女と揉めた翌朝に必ずコーヒーを二つ買って帰る人だった。ごめんとは口にしない。彼女は長いこと、それを不満に思っていたそうです。

謝れないんじゃなくて、謝る手が違っただけ。気づくまで3年かかったと彼女は笑っていた。差し出す側の技術と、受け取る側の解読力。両方が要るんだよね。

お金の扱いも出る。貯金額そのものより、赤字の月に何と言うか。責める人。黙り込む人。一緒に家計簿を開く人。3年目あたりでくっきり分かれてくる。

体調が落ちた日の態度も見どころ。相手が寝込んだとき、自分の予定をどれだけ動かすか。動かさない人が悪いわけじゃない。ただ、そういう相手と組むなら、自分も同じ立ち方をする覚悟がいる。

実家の話をどこまで開けるかも効く。義理の家族との距離は、籍を入れてから調整するのがかなりしんどい。結婚が決まってから初めて、実は父が長く入院していてと打ち明けられたケースを、私は二度見ています。悪意なんてどこにもなかった。言うタイミングを逃しただけ。それでも、聞かされた側の負荷はずしんと重い。

財布をひとつにした瞬間に見えるもの

サークルで知り合って同棲へ進んだ組を、何組か追いかけてきた。

家賃の分担率で揉める組って、意外と少ないんですよ。半々にするのか、収入比で割るのか。そこは案外すんなり決まる。

崩れるのは、決めたルールが守れなかった月。家電が壊れた。冠婚葬祭が重なった。予定になかった出費を、誰が黙って埋めるか。埋めた側が、それを言うのか飲み込むのか。

共同口座を作った組の話が分かりやすい。半年もすると、二人の金銭感覚のズレが数字になって並ぶ。片方はコンビニ、片方は課金。ズレていること自体は、まあ、どうにでもなる。問題はズレを見つけた日の会話の温度のほう。

やっちゃったね、で笑える二人と、無言でレシートを突きつける二人。運命共同体という言葉が実際に試されるのは、告白の場面じゃなくてここ。

自分から言いたくなったときの話

逆側の相談も届きます。この言葉を彼に伝えたい、という。

止めはしないけど、抽象的な誓いって、思ったより相手に届かない。共同体だからね、と言われて、受け取る側は何をすればいいのか分からない。ふわっとしたまま流れていく。

代わりに強いのが、期限と行動がくっついた言葉。来年の更新のとき、一緒に住む部屋を探したい。この形なら、相手は答えを出すしかない。イエスもノーもはっきりする。こわいけど、そのこわさが本題です。

プロポーズの台詞を二次会でひたすら練習していた男性がいた。何度も言い直して、最後に残ったのは飾りのない一文だったな。うまい言い回しは、だいたい削られて消えていく。

舞い上がったまま進むと、危ない場合

冒頭の女性の話には続きがある。

半年後、彼の口から転職の相談が出た。少し経って、消費者金融の残高の話。運命共同体だから、と彼はもう一度言ったそうだ。同じ言葉のまま、中身だけ入れ替わっていた。

言葉そのものを疑えという話じゃない。誓いとして使われたのか、責任の移し替えとして使われたのか。時間差で表に出てくることがある。

手がかりはひとつ。その言葉のあとに、相手が何を差し出してきたか。自分の弱さを見せてきたなら誓い寄り。負担を運んできたなら、一度立ち止まる場面。

ここで女性側がやりがちなのが、言われた言葉に自分を合わせにいく動き。共同体と呼ばれた以上、支えなきゃ。この考え方に入ると、荷物の持ち分がじわじわ偏っていく。片方だけが持つ構造は、固まると戻せない。

解釈を続けても、答えは出ない

うまくいった人がやっていたのは、拍子抜けするほど素朴な方法だった。数日後、ごはんを食べながら、この前の運命共同体ってどういう意味だったの、と笑いながら聞くだけ。

一生一緒にいたい方向の答えが返ってくれば話が進む。冗談だよ、で流されたなら、その温度が答え。

籍を入れる前に開けておきたい話は、貯金と借金の現状、子どもをどうしたいか、親の介護が来たときの動き方、仕事を辞めたくなったときの生活費。この四つに一度も触れないまま式場見学に行くの、正直こわい。

重い話を切り出すのが苦手なら、雑談の流れに混ぜるのが早い。友達夫婦の話を出す。ニュースを引き合いにする。相手の反応を見る。正面から会議を開こうとすると、だいたい失敗しますよ。

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