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ヒステリーな女性の恋愛の末路と、そうならない人の違い

「私、たぶんヒステリー女なんです」

受付でそう切り出した彼女の顔を、今でも覚えてる。二十代後半、婚活目的でうちの単発イベントに来ていた人。二次会の隅っこで、ワインを半分だけ残したまま、ぽつりと打ち明けてくれたんだよね。元カレに面倒くさいと言われて別れた、と。しかも一度じゃない。二度、三度。

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恋愛の現場で見てきた、三つの結末

イベントを何年も回していると、同じ人の恋愛が数ヶ月単位で変わっていくのを間近で見ることになる。だから机上の恋愛論じゃなく、目の前で起きたこととして書けるんだよね。感情の波が大きい人の恋愛が向かう先は、ざっくり三方向に散らばっていく。

ひとつめ。別れを繰り返すルート。付き合って燃え上がって、些細なことで爆発して、相手が疲れて去る。これをリピートしてしまう。本人がいちばん苦しいのに、自分では抜け出せない。次こそはと思うのに、また同じ場所でつまずく。うちの常連にも、半年で三人の相手と別れた子がいた。毎回、いい出会いから始まるの。優しくて、気が合って、これは本命かもって顔でのろけてくれる。なのに二ヶ月目あたりで、必ず同じ喧嘩に着地するんだよね。相手を替えても、脚本だけが同じ。本人がそのループにやっと気づいた日の、あの呆然とした顔…今も忘れられない。

ふたつめが、相手が萎縮していく道。別れはしない。でも彼氏のほうが顔色をうかがうようになって、言いたいことを飲み込み、笑顔だけ貼りつける。関係の形は残るのに、中身がだんだん空洞になっていく。静かな共倒れ、とでも言えばいいのかな。彼が悪いわけでも、彼女が悪いわけでもない。ただ、二人のあいだで言葉がゆっくり死んでいくだけ。傍から見ると仲良しに映るから、外からは誰も助けに入れない。そこが、いちばんこわい。

そして三つめ。これが希望のほうね。感情が動きやすいのは変わらないのに、扱い方を覚えて、むしろ深く結ばれていく人たち。喜怒哀楽が豊かなぶん、相手を大事にする熱量も高い。ここに着地する人を、私は何人も見送ってきた。

末路という言葉が想像させる、あの孤独。

分かれ道は性格じゃなく、反応のクセ

じゃあ何が結末を分けるのか。生まれ持った性格だと思い込んでる人が、あまりに多い。違うんだよなぁ、そこ。

感情が爆発する瞬間には、たいてい決まった型がある。相手の返信が素っ気ないと胸がザワッとして、既読スルーが続くと頭のなかがぐるぐる回りだして、気づけば強い言葉を投げてる。あの一連の流れ。あれは性格というより、踏むと必ず作動する地雷の配置みたいなものだ。

配置は、変えられる。

心理学に愛着スタイルという考え方があってね。幼い頃からの人間関係のなかで、見捨てられる不安を強く抱えやすい人がいる、という話。この不安の傾向を持つ人は、相手の小さな態度を拒絶のサインと読み違えやすい。素っ気ない返信が、あなたなんて要らないという宣告に見えてしまう。カッとなるのは、心が勝手にそう翻訳しているからなんだ。

性格だから直らないと絶望するのと、翻訳のクセなら直せるかもと知るのとでは、次の一歩がまるっきり変わってくるじゃん。

現場で見ていておもしろいのは、初対面の相手には誰もヒステリックにならない、ってこと。関係が深まって、この人を失いたくないと感じる相手の前でだけ、あの反応は顔を出す。裏を返せば、爆発は愛着の強さの裏返しでもあるわけで。厄介なんだけどさ、そこには確かに、好きだよっていう熱がこもってるんだよね。

そのヒステリー、無視への抗議だったのかも

ここ、けっこう大事なところ。

爆発した側だけが、一方的に悪者にされる。でも現場で話を聞いていると、順番が逆のケースが山ほどあるんだよ。

さっきの彼女も、後日ゆっくり話したら出てきた。元カレは、大事な相談をしても生返事。記念日も忘れる。こっちが泣いてても画面から目を離さない。何ヶ月も軽く扱われ続けて、限界がきて、ある日ドカンといった。それを相手は、あいつはヒステリーだと片づけた。

……心当たり、ない?

無視され続けた人が声を荒げるのは、故障なんかじゃなく、正当な抗議のことがある。ふだん静かに我慢する人ほど、限界の瞬間だけが目立って、そこだけ切り取られてヒステリー女の烙印を押される。溜まっていた過程は、誰も見てくれないまま(泣)。

だからまず、自分を責める前に一度だけ立ち止まってほしい。爆発の手前で、あなたは長いあいだ寂しくなかった? ちゃんと大切にされてた? そこが抜け落ちたまま自分だけを直そうとすると、我慢の上限を上げるだけの、もっと苦しい方向に進んでしまう。

変わり始めた人が、最初にやめたこと

じゃあどうすれば三つめのルートに乗れるのか。実際に関係を立て直していった人たちに共通していたのは、派手なテクニックじゃなかった。むしろ地味。

最初にやったのは、爆発の前兆に気づくこと。胸がヒヤッとした、指がスマホに伸びた、その初期の小さな震えを自分で捕まえる。作動する前のカチッという音を聞き取る感覚、に近いかな。ここで一拍おけるかどうかが、あとの展開を大きく左右するんだよね。深呼吸ひとつでもいいし、その場を離れて水を一杯飲むでもいい。要は、作動の回路にわざと隙間をつくってやること。

次にやったのが、感情の翻訳を言葉にする作業。返信が遅いと不安になる、それだけを事実として声にする。責める文章に化ける前の、生の気持ちのまま。あなたが悪い、ではなく、私はこう感じて怖くなった、という形に置き換えていく。同じ出来事なのに、伝わり方がびっくりするくらい変わってくるから。

言い方をひとつ変えただけで、相手の防御がふっと解ける瞬間って、本当にあるんだ。カウンセリングの現場でよく使われる伝え方だけど、専門家じゃなくても練習で身につく。うちのイベントに通いながら少しずつ変わって、半年後には落ち着いたパートナーと並んで来てくれた人もいるよ。あの変化は、見ていてこっちが泣きそうになった!

もうひとり、忘れられない人がいる。イベントの帰り道、ぽつりと言われたんだよね。怒ってるとき、本当はただ怖いだけなんです、って。自分の爆発の正体が、怒りじゃなくて恐怖なんだと言葉にできた瞬間だった。そこから彼女は変わっていった。

彼女に疲れてしまったら

ここからは、向かい合う側の話。

彼女が感情的で、もうくたくた。そう思ってこのページに辿り着いた人もいるはず。まず言っておきたいのは、疲れたと感じることは甘えじゃない、ってこと。

うちのイベントに、そういう男性が来たことがある。彼女と別れるべきかどうか、二次会でずっと悩んでた。優しい人だった。だからこそ、自分が我慢すれば丸くおさまると抱え込みすぎて、笑顔がガチガチに固まってたんだよね。正直言って、見ていて危うかった。彼、もう自分の気持ちがどこにあるのか分からなくなってたと思う。

我慢は美徳なんかじゃない。溜め込んだ側も、いつか静かに壊れる。

別れる前に、静かに確かめてほしいこと

答えを出す前に、確かめてほしいことがある。冷たく箇条書きで並べたくないから、順に話すね。

彼女の感情が動くのは、あなたと二人きりのときだけ? それとも、誰に対してもそうなのか。前者なら、二人の関係のなかに引き金がある。後者なら、彼女自身が抱えているものが大きい。原因の在りかで、打つ手はまるで変わってくる。

それから、爆発したあとの彼女。ちゃんと謝れる人かな。振り返って、修復しようと手を伸ばす姿勢があるかどうか。ここがあるかないかで、二人の未来はだいぶ違う顔になる。

もうひとつ見てほしいのが、荒れたあとに彼女がどれだけ引きずるか。一晩で立て直せる人と、何日も自己嫌悪の沼から抜け出せない人がいる。後者なら、彼女自身がかなり苦しんでいるサインだ。あなたを困らせたくてやってるわけじゃ、ないんだよね。

そして、いちばん向き合いにくい問い。あなたの態度が、引き金になっていないか。相談を軽く流したり、スマホばかり見ていたり、無自覚に彼女を後回しにしてこなかったか。ドキッとした人、正直に手を挙げてほしい。彼女のヒステリーだと思っていたものが、じつはあなたの無関心への反応だったとしたら、直すべきは彼女だけじゃないよね。

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