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年上の彼女の呼び方|呼び捨ては失礼?卒業のタイミングと切り出し方

二次会のカウンター席で、27歳の彼がぽつりとこぼした。付き合って8ヶ月、いまだに彼女を名字にさん付けで呼んでいるらしい。相手は3つ上。仕事の縁で知り合って、告白したのは彼のほう。関係はうまくいっている。なのに呼び方だけが、出会った日のまま冷凍保存されてるんだよね。

8ヶ月…?

顔に出たと思う。彼は苦笑いしてビールを傾けた。

社会人サークルの交流会をやってると相談される年上の彼女がいる男性の悩みは、デート代でも将来設計でもなく、呼び方に一点集中する。おもしろいのは、相談してくる人がほぼ全員、付き合いたてじゃないこと。数ヶ月経って、聞くきっかけを完全に逃した人たちなのよね。

目次

さん付けが抜けないのは、呼び方だけの問題じゃない

呼び方を変えたい人の口から、最終的に必ず出てくる言葉がある。対等になりたい、という一言。

これ、けっこう本質を突いてるというより、そのままの意味なんだと思う。名字にさんを付けて呼ぶたび、自分が一段下にいることを毎回確認させられる。声に出すのは自分。つまり自分で自分に上下関係をアナウンスしてる状態なわけで、そりゃじわじわ効いてくるっしょ。

心理学の世界では、人が相手をどう呼ぶかは親密さの段階を映す指標として扱われてきた。関係が深まるほど呼称が崩れ、自己開示が増える。逆に言えば、呼称が固定されたままだと関係の進行も足踏みしている感覚が生まれやすい。呼び方は結果でもあり、きっかけでもある。ここがややこしいところ。

うちのイベントで見てきた限り、呼び方を変えられた人と変えられない人の差は、勇気の量じゃなかった。試した回数の差。一発で決めようとした人ほど、動けないまま半年が過ぎてる。

現場で見かける呼び方15パターン

さん付け系がまず3つ。名字さん、下の名前さん、そして名前を略してのさん付け。名字さんは他人行儀に見えるけど、職場恋愛では安全弁として長く残る。下の名前にさんを付ける形は、距離を保ったまま一歩踏み込める中間地点で、実際に一番よく使われてるのを見かける。

呼び捨て系が2つ。名字の呼び捨てと、下の名前の呼び捨て。前者は体育会系のノリが漂って、恋人同士だと少し硬い。後者は関係が変わったことが誰にでも伝わる強い一手。

ちゃん付け系が2つ。名前にちゃん、名前を縮めてちゃん。年上女性に対するちゃん付けは賛否が割れる。かわいく扱われて嬉しい人と、子ども扱いに感じる人にきれいに分かれた。

あだ名系が4つ。名前を縮めた愛称、名字を縮めた愛称、イニシャルや英語読みをもじったもの、二人にしか通じない造語。造語系は強い。彼女の元カレ全員と重複しないから、唯一の呼び名になる。ある女性は、彼が寝ぼけて口走った変な呼び名がそのまま定着して、今も使われてると笑ってた。

残りの4つは変則。先輩と呼び続けるパターン、ねえとかちょっとで名前を回避するパターン、人前とふたりで使い分けるパターン、LINEだけ別名にするパターン。名前回避型はラクだけど、これを続けると呼び名が育たないまま関係だけ長期化する。うちの参加者で3年間ねえで通した人がいて、結婚の話が出たときに彼女から、名前で呼ばれた記憶がないと言われたそうな。はぁ…。

呼び捨ては失礼?境界線は3つ

年上の彼女を呼び捨てにするのは失礼か。ここで固まる人が本当に多い。

失礼寄りに転ぶ条件が3つある。

ひとつめ、敬語が残ったままの呼び捨て。ですます調で話しながら名前だけ呼び捨てにすると、ちぐはぐな感じが立つ。言葉づかい全体と呼称は連動して動くもので、片方だけ先走ると雑に聞こえやすい。

ふたつめ、共通コミュニティで彼女に立場があるとき。職場の先輩、サークルの運営側、習い事の上級者。他の人が敬称で呼んでいる場に呼び捨てを持ち込むと、彼女は関係を管理するコストを一人で背負うことになる。ドキッとする顔を、何度か見てきた。

みっつめ、前触れなく人前で初投入すること。ふたりの間で一度も試していない呼び方を、いきなり友人の前で使う。ここでの失敗は挽回に時間がかかる。

逆に、呼び捨てが自然に着地したケースには共通点があった。彼女のほうが先に敬語をやめている。彼女が彼を下の名前で呼んでいる。そして冗談の文脈で一度試して、彼女が笑って受け流した実績がある。この3つが揃っていれば、呼び捨ては失礼どころか歓迎されることが多い。

タメ口の解禁時期と、敬語ミックスという逃げ道

タメ口はいつからか。時期で決まるものじゃなくて、彼女の言葉づかいが崩れた日が合図になる。

いきなり全部タメ口にしなくていい。感情が動く場面だけ崩す。おいしいものを食べた瞬間、笑ってる最中、疲れて弱ってるとき。ここだけ敬語が外れるのは自然だし、彼女側も受け取りやすい。事務連絡は丁寧なまま残す。この混ぜ方を敬語ミックスと呼んでいて、うちで観測してきた中では成功率が高かった。

一気に切り替えると、彼女は変化の理由を探し始める。何かあった?と勘繰られて、結局元に戻るパターンもある。

プライドが高いタイプの見分け方

年上であることに触れられたくない人を、事前に見分ける手がかりはいくつかある。

自己紹介の場で年齢を自分から言うかどうか。年下扱いのいじりを笑って返すか、話題を変えるか。年齢差を含んだ冗談への反応速度。この3点で、だいたい傾向は見える。

年齢に触れられたくない人ほど、実は呼び捨てを喜ぶことがある。年上として扱われることに疲れてるから。逆に年齢差を自分からネタにする人が、呼び方に関しては保守的だったりもする。ここは読み違えやすい。ふわっと試して反応を見るしかないんだよなあ。

変えるタイミングは、日常の隙間にある

イベント現場で聞いた成功例のタイミングは、驚くほど地味だった。

旅行の帰りの電車。ふたりとも疲れてて、気が緩んでいる時間帯。関係が一段深まった直後は、呼び方の変化が説明なしで受け入れられる。

友人に紹介する少し前。彼女をどう紹介するか決める必要が生まれるので、話題として持ち出しても不自然じゃない。

彼女が弱っているとき。仕事でへこんだ夜、体調を崩した日。丁寧な呼び方が急に他人行儀に響く瞬間があって、そこに名前呼びが入ると効く。

避けたほうがいいのは、けんかの直後と、酔ってテンションが上がりきっている場面。前者は変化が対抗手段に見えるし、後者は翌日に戻る。

切り出し方。そのまま使える言い回し

回りくどい前置きは要らない。うちの参加者が実際に使って通ったのは、こういう短い言い方だった。

なんて呼んだらいい?と、雑談の途中で聞く。深刻な顔をしないのがコツ。

さん付け、そろそろ他人行儀じゃない?と笑いながら投げる。

名前で呼んでみていい?と許可を取る形。これは断られにくい。

LINEなら、呼び方変えていい?の一行で足りる。既読がついて、いいよ、が返ってくるまで数分。あっけないくらい。

やめたほうがいいのは、俺たち付き合ってるんだから、から始まる説得。理屈で押すと、彼女は理屈で断る理由を探し始める。

場面で使い分けるのは、不誠実じゃない

職場では名字にさん、ふたりのときは名前、友人の前ではあだ名。この使い分けを、器用すぎて嘘っぽいと悩む人がいる。

そんなことないよ。使い分けは相手を守る行為でもある。彼女の社会的な立場を計算に入れられる人だと伝わるほうが、長い目で見れば信頼される。実際、年上の彼女側からは、周りへの配慮ができる子だと安心した、という声のほうが多く聞こえてきた。

やらかした人たちのその後

飲み会で酔った勢いで彼女を呼び捨てにして、場が一瞬しんと静まった男性がいた。彼女は笑って流したけど、帰り道で空気が重かったらしい。彼は翌日に一言だけ送った。昨日の呼び方、ちょっと調子に乗った、ごめん。それで終わったんだって。

呼び方の失敗は、取り返しがつかないと思われがちだけど、実際にはそこまで重くない。謝れる関係かどうかのほうが試されている。一度で正解を当てる必要はないし、戻したっていい。試して、様子を見て、また試す。この繰り返しで着地した人を何人も見てきたから安心してね。

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