イベントの二次会って、本音がこぼれやすい時間帯なんだよね。お酒が回って、初対面の壁がほどけて、声が隣の人にだけ届く音量になる頃。
去年の秋、そのタイミングで相談された。参加三回目の30代前半の女性。彼氏が毎日連絡をくれるし、会えば運命だと言ってくれる。なのに眠れないくらい不安だ、と。
理由を聞いたら、前の彼女にも同じ言葉を使っていたらしい、と共通の知り合いから聞いてしまったそうで。
嘘をついていないから、余計に厄介
惚れっぽい男と恋愛体質の男は、似ているようで別物。前者は好きになる回数が多いだけ。後者は、恋愛が生活の中心に据えられている人。
イベント現場で見ていると、行動でわりとはっきり分かれるんですよ。
開始三十分で一人に照準を合わせる。連絡先の交換が異様に早い。翌日のLINEは長文で、来週の予定まで出てくる。二ヶ月後の別の回に来たときには、もう違う女性の隣に座っている。恋人がいない期間がほぼゼロ、というのも共通していた。
ここで誤解されがちなんだけど、彼らは女性を騙そうとしていない。その瞬間は本気なんだよね。だから声の温度も目線も嘘っぽくならないし、受け取る側は疑いようがない。
厄介なのはそこ。誠実な熱量が、結果として人を傷つけてしまうという。
熱を向けているのは、あなたではなく恋という状態
なぜ恋愛が生活の真ん中に来てしまうのか。
心理学には成人の愛着スタイルという考え方があって、ハザンとシェイバーが1987年に提示した枠組みが今も土台になっている。人が親密な関係でどう振る舞うかを、不安型、回避型、安定型といった傾向で捉えるもの。
不安型の傾向が強い人は、相手の反応で自分の価値を測りやすい。返信が遅いと存在ごと否定された気分になる。逆に、誰かに強く求められている間だけ自分に合格点を出せる。
恋愛体質の男性に多いのは、この補給のサイクルなんだよね。恋をしていない自分が空っぽに感じられるから、空白を作らない。人を好きになっているというより、好きになっている自分の状態に依存している。
イベント運営をしていると、これが表情で見えてしまう瞬間がある。新しい相手ができた直後の彼らは、目に見えて機嫌がいい。そして三ヶ月後、相手の話題が出なくなって、また会場を見渡し始める。
本命かどうかは、言葉ではなく生活で判別する
恋愛体質の男は、誰にでも本気の言葉を渡す。だから台詞から本命度を測ろうとすると、ほぼ確実に読み違えます。
見るべきは、彼の生活のどこにあなたが置かれているか。
常連だったKさんという男性がいて、彼はまさに絵に描いたような恋愛体質だった。毎回誰かを好きになる。全員に優しい。運営側からすると助かる盛り上げ役でもあったし、正直ちょっと呆れてもいた(笑)
そのKさんが、ある回を境にぱたっと来なくなった。半年後、報告に来てくれたんですよ。付き合った女性がいて、その人と過ごす週末を空けておきたいから、と。
変わったのは言葉じゃない。予定の埋め方だった。
彼は元々、金曜も土曜も何かしらの飲み会で埋める人。それが、何も予定を入れない日をわざわざ作るようになった。相手が疲れて連絡を返せない日も、催促せずに待てるようになったらしい。
熱が下がったあとに残るものがあるかどうか。ここが本命とその他大勢を分ける線だと、現場を見てきて思っている。
盛り上がっている最中は全員が本命に見える。テンションが凪いだとき、その人の日常にあなたの席が用意されているか。友人や家族に会わせる流れが自然に出てくるか。プレゼントではなく、退屈な時間を一緒に過ごせるか。
結婚したら落ち着く男と、落ち着かない男
婚活の相談で一番多いのが、結婚したら変わりますよね、という確認。
正直に言うと、落ち着く人もいれば落ち着かない人もいる。ただ分かれ目は、そこそこ見えている。
恋愛以外に自分を保つ柱があるかどうか。
仕事でも趣味でも友人関係でもいいんだけど、自分は悪くないと思える根拠が恋愛以外にある人は、結婚後にわりと安定する。逆に、誰かに求められることだけが自己確認の手段になっている人は、家庭の中で新鮮さが薄れた瞬間、外に補給先を探しに行きやすい。
年齢の読み方も変えたほうがよくて。20代の恋愛体質は、単純に経験値が足りないだけということも多い。30代後半になっても同じサイクルを回している場合は、性格ではなく習慣として固まっている可能性が高くなる。
結婚前に見ておきたいのは、彼が一人の時間をどう過ごすか。そして過去の恋愛の終わり方をどう語るか。
元カノ全員を悪者にして話す人は、関係が壊れた理由を自分の側に置けていない。同じことがあなたとの間で起きたとき、あなたも悪者リストに追加されるだけ。
逆に、あの時の自分は幼かった、と苦い顔で言える人。この差はけっこう大きいですよ。
それでも惹かれるのは、彼の側だけの問題じゃないかも
ここから先は、少し踏み込んだ話。
三人連続で同じタイプの男性と付き合った女性が、うちのイベントにいた。全員、熱量の高い恋愛体質。全員、半年前後で終わった。
四人目を好きになりかけたとき、彼女がぼそっと言ったんですよ。私、たぶん相手を選んでるんじゃなくて、選ばれ方を選んでる、って。
ぐるぐる考えた末に出てきた言葉だったんだと思う。
強い好意を向けられると、自分に価値があると確認できる。だから熱量そのものを愛情の濃さだと読み替えてしまう。静かに大事にしてくれる人は、物足りなく感じてしまう。この感覚、身に覚えのある人はけっこう多いんじゃないかな。
相手が変わっても結末が同じなら、共通しているのは相手ではない。選ぶときの基準のほう。
冷たい話に聞こえるかもしれないけど、これって希望のある話でもあってさ。相手を変える力は誰にもないけれど、自分がどこに反応してしまうかは、気づいた時点から観察できるから。
好きになった瞬間、彼のどこに反応したのか。熱の強さだったのか、それとも過ごした時間の質だったのか。ここを一度でも言葉にできた人は、四人目で同じ道を歩かなくなる。
彼女は今、まったく違うタイプの人と穏やかに続いています。最初は退屈だと思ったらしいけど(笑)

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