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掴みどころがない人の心理と、振り回されて疲れたときの距離の取り方

金曜の夜、サークルの交流会のフロアの隅で、28歳のAさんがスマホをちらちら見てた。さっきまで隣で大笑いしてた男性が、解散した途端にふっと気配を消したらしい。返信、来ないんだって。

会場の中だと距離が近いのに、一歩外に出ると急に遠くなる人っているよね。Aさんが好きになったのは、まさにそういうタイプ。楽しそうにしてるのに、何考えてるか全然読めない。

掴みどころがない人って現場で何百人も見てきた肌感で言うと、共通点はわりとくっきりしてるんだよね。

目次

何を考えてるか分からない、の正体

まず、感情の振れ幅が外に出ない。うれしくても声が上ずらないし、嫌でも顔に出さない。場が一気に盛り上がって全員が前のめりになった瞬間、ひとりだけ温度がすっと一定の人。あれが分かりやすい目印。

行動も読みにくい。毎回来てたのに急にぱたっと消えて、辞めたのかなと思った頃に、二ヶ月後しれっと現れる(笑)。本人に悪気はゼロ。自分のリズムで生きてるだけなんだよなぁ。

それから、自分の話をほとんどしない。聞けば答える。でも聞かないと、何も出てこない。仕事のことも休日の過ごし方も、ぼんやり輪郭がにじんでる。中身が見えないぶん、こっちは勝手に想像をふくらませるしかなくなるわけ。

もうひとつ、誰に対しても同じ顔、っていう特徴もある。あなたにだけ優しいのか、みんなにこうなのか、判定がつかない。好かれてる気がして近づくと、隣の人にも同じ笑顔を向けてて、あれ?ってなる。脈の有無が読めないのは、態度に差がないせいでもあるんだよね。

で、ここからが大事なとこ。

この読めなさを、冷たさとかミステリアスな演出だと受け取る人、めちゃくちゃ多い。違うのよ、たいてい。長く話を聞いてると、いちばん奥にあるのは防御だったりする。

弱みを見せたら足元を見られるかもしれない。本音を出したらジャッジされるかもしれない。だから先回りして、薄い膜を一枚かぶせておく。傷つくのを避けるために人と距離を取る関わり方は、心理の世界でも回避型としてよく知られてる。掴みどころのなさって、その膜の手ざわりにかなり近い。

うちのサークルで、いちばん読めなかった男性がいてさ。30代前半のBさん。誰とも当たり障りなく喋るのに、ある一線だけは絶対に越えさせない。最初は正直、ちょっと怖かった。

半年くらい経った頃、彼がぽろっと言ったの。昔、全部さらけ出して、げらげら笑われたことがあって、って。

あぁ、そういうことか。クールに見えてた壁は、過去の古傷にできたかさぶただった。なんだ、いちばん繊細なやつじゃん!…って、その時しみじみ思ったな。

男女でちょっと色が違うのも面白くて。女性は、自分の世界やこだわりが濃くて、群れない流儀として出ることが多い。男性は、感情を言葉にすること自体に慣れてなくて、黙る側に転がりがち。でも根っこはそっくり。知られて否定されるのが、ただただ怖い。

逆の立場も見てきた。20代後半のCさんは、まわりからよく不思議ちゃん扱いされてた女性。本人はね、ちゃんと心を開いてるつもりだったの。なのに掴めないねって言われるたび、地味に傷ついてたんだって。距離を置いてるつもりは一切ない。ただ、思ったことを口に出すまでに、頭の中で三回くらい推敲しちゃう。その、言葉になるまでの数秒が、まわりには壁に見えてたわけ。膜の内側って、案外そんな感じ。冷たいんじゃなくて、出し方が分からないだけ。

守ってるだけの人と、そもそも掴ませない人

ここ、追いかける前にいちばん見てほしいとこ。

掴みどころがない人って、実は二種類いる。現場でようやく見えてきたことなんだけど。

ひとつは、Bさんみたいに、守ってるだけで中身はちゃんとある人。怖がりだから膜を張ってる。信頼が積もれば、伏せてた手札を一枚ずつ見せてくれる。時間はかかるけど、扉の鍵は内側からちゃんと開く。

もうひとつが、そもそも本気で掴ませる気がない人。誰にでも同じ顔で、にこにこしながら一定の距離をキープする。脈ありっぽい合図を撒くのに、肝心なとこでさっと引く。悪気すらないことも多くて、本人は自由に泳いでるだけ。でもこっちは、思わせぶりの渦にハマってぐるぐるしちゃう。

見分けかたは、シンプルなのにちょっと残酷でね。二人きりの時間が積もったとき、ほんの少しでも開いていく手応えがあるかどうか。半年待っても膜の厚みが一ミリも変わらないなら、後者の可能性が高い。

見極めの瞬間って、案外ささいなとこに出る。前者の人は、二人で話してるとき、ふとした拍子に自分の昔の話をぽつっとこぼす。話すつもりじゃなかった、みたいな顔で。後者の人は、何ヶ月会っても、その不意の一滴が出てこない。にこやかなのに、芯にはずっと膜がかかったまま。盛り上がってるのに、なぜか何も残らない。

相手を変えようとした人から、すり減っていく

振り回されてる側がやりがちなこと。相手をこじ開けようと、頑張りすぎちゃうこと。

もっと心を開いてほしくて、質問をどんどん重ねる。沈黙が怖くて、自分ばっかり喋る。相手の予定が最優先になって、自分の約束はどんどん後回し。よかれと思って、なんだけどさ。これがだいたい裏目に出る。

いちばん見ててつらい失敗が、相手に合わせて自分を消しちゃうパターン。読めない相手に嫌われたくなくて、好きな音楽も、行きたい店も、ぜんぶ相手の色に塗り替えていく。気づいたら、自分まで掴みどころがなくなってた人がいてさ。相手の謎を追いかけてるうちに、自分が誰だったか分かんなくなるから気をつけよう。

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