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ポンコツな人の恋愛|愛される特徴と彼氏にイライラする時の境界線

受付で渡した名札を、逆さまにつけたまま二時間すごした男性がいました。
社会人サークルの、交流イベントでの出来事です。

隣に座った女性は早々に気づいたのに、言い出せなかったらしい。
帰り際にやっと伝えると、彼は耳まで赤くして笑っていたなぁ。

このふたり、いまは恋人同士。
(名札が縁結びになるなんて、主催者も聞いてない)

ポンコツな人の胸の内は、ドジばかりの自分は選ばれないのでは、という心配がひとつ。
もう一方は、恋人の抜けっぷりに近ごろ笑えなくなってきた疲れ。

どちらの相談も、受付の横や帰りの駅までの道で何度も聞いてきました。
見てきた限り、抜けの多さで恋の行方は決まらないんですよね。
分かれ目は失敗したあとの後始末を誰が引き受けるか。

目次

ポンコツな人が恋愛の現場で愛されている理由

好きな人から言われるポンコツは愛称に近い

壊れかけの車や機械に使われてきた言葉です。
人に向けると、力はあるのにどこか抜けている、という含みに変わる。
失敗しても憎めない、の意味まで乗ってくるから面白いよね。

二次会の席でそう呼ばれて、本気で怒った人を私は知りません。
呼ぶ側の顔が、決まってゆるんでいるんだもの。
嫌いな相手に、こんな丸い響きの単語を選ぶ?

天然とどう違うの、と聞かれることも多い。
私の見分け方は単純で、失敗に気づかないのが天然。
気づいて慌てるほうがポンコツ。
慌てる顔が見えるぶん、周りは手を差し出しやすいわけだ。

職場で上司から投げられるのとは、重さが別物。

抜けている人のテーブルに人が集まる

立食の交流会を開くたび、同じ現象が起きます。
乾杯でグラスを倒した人の卓が、意外と一番早く打ち解ける!

段取りを完璧に回す人の周りは、なぜか静か。
隙のない相手の前だと、こちらまで背筋が伸びてしまうんだよなぁ。

心理学に、しくじり効果と呼ばれる実験結果が残っています。
有能そうな人がコーヒーをこぼすと、かえって好感度が上がったという報告。

ひとつ但し書きがついていてさ。
もともと評価の低い人が同じ失敗をすると、好感は下がりました。

抜けはカレーの福神漬けに似ている。
皿の主役がおいしい時にだけ、あの赤が効くんです。
この但し書き、あとでもう一度顔を出すよ。

手を貸した側が、相手を好きになっていく

たこ焼きの回で、全部を真っ黒に焦がした経理職の女性がいてね。
数字に強いと自己紹介した直後の惨事(笑)。

男性陣が三人、突然立ち上がって返し方を教え始めた。
本番はここから。
手を貸した側のほうが、彼女を目で追い始めたんですよ。

人は助けた相手に好意を持ちやすい、という心理学の知見どおり。
かけた手間と辻褄を合わせるように、気持ちがあとからついてくる。

完璧な人の隣では、周りに出番が回ってきません。
ポンコツな人がモテる理由は、相手に出番を渡していること。

現場で見つけた、愛されるポンコツな人の特徴

すぐ顔に出る。
駆け引きができない。
助けられたら、その場で大げさなくらい喜ぶ。

卓の中心にいる抜けた人を並べると、この三つが重なります。

返信は遅いし、店の予約は日付を間違えるし。
それでも隣にいる側が疲れないのは、感情に隠しごとが無いから。
何を考えているか読める相手には、警戒がほどけていく。

イベント後の初デートで、予約した店が定休日だった男性もいる。
彼は平謝りのあと、コンビニの肉まんを公園で半分こにした。
相手の女性いわく、あの日がいちばん笑ったデート。

男性の抜けは頼りなく見える、女性の抜けは計算に見える、という声も聞く。
現場で眺めていても、性別で結果が割れた覚えがほぼ無い。
割れる場所は、もっと別のところ。

愛されるポンコツと冷められるポンコツの違い

謝って、笑って、次は少し変える人

バーベキューの回で、炭を買い忘れた火起こし係の男性。
自分から名乗り出ておいて、です。
(炭なしで、マジで何を起こす気だったの?)

彼はまず全員に頭を下げ、近くの店まで走った。
戻ってきた手には炭と、人数分のアイス。

次の回、彼は前日に持ち物の写真を送ってきたんです。
そこまでしなくても、と笑いつつ、正直言ってかなり感心しました。
その日の帰り、三人が彼に連絡先を聞いていたっけ。

同じ穴に周りごと落ち続ける人

集合時間に四回つづけて遅れてきた男性は、その逆でした。
理由は毎回、目覚ましが鳴らなかった、の一点張り。

最初は周りも笑い話で済ませていた。
三回目で笑い声が消え、四回目は彼の隣の席が空いたまま…。

遅刻より響いたのは、待たせた人への一言が無かったこと。
失敗の後片付けを、黙って周りに回していたわけです。
福神漬けだけの皿を出されても、こちらは困ってしまう。
恋の席で皿の主役を張るのは、肩書きより相手への気づかい。

炭の彼と遅刻の彼、抜けの回数に大差はありません。
違ったのは謝る速さと、二回目の工夫。
体感では、失敗から謝罪までが早い人ほど周りに人が残る。

冷められるのは抜けている人ではなく、抜けたまま動かない人でした。

恋愛になるとポンコツになるのは本気の裏返し

仕事はできるのに、好きな人の前でだけ固まる

企画職の女性の話から。
職場では十人のチームを回すリーダー。
その彼女が、気になる男性の前でだけカチコチになる。

自己紹介で自分の会社名を噛み、話題は天気しか出てこない。
前の晩は返信を三時間練って、送れたのはスタンプひとつ、と本人談。

あとで彼女がぽろっとこぼした一言を、まだ覚えています。
「仕事は正解がわかるのに、恋愛は採点基準が見えなくて」
仕事ができる人ほど、この落差に自分でうろたえる。

緊張と成績の関係を示す、ヤーキーズ・ドッドソンの法則という古い知見。
ほどよい緊張は力を引き出し、高すぎる緊張は込み入った作業から崩していく。

相手の表情を読みながら言葉を選ぶ会話は、その代表格でしょ?
好かれたい気持ちが強い日ほど、頭が真っ白になるのは道理なんです。
固まるのは、相手を雑に扱っていない印とも言えるよね。

性格診断でINTJと出た、と話す参加者にも同じ固まり方が目立つ。
頭の中で会話を三手先まで読んで、一手目が指せなくなる。

黙ると退屈に、隠すと自慢に見えてしまう

ここに落とし穴がひとつ。
緊張で黙っている人は、外からは興味がなさそうに映ります。

彼女と話した男性は、打ち上げでこう漏らした。
「嫌われたのかな。全然目が合わなくて」
(違うの、あの子はあなたに一番緊張してるの…!)

口を挟みたい衝動を、唐揚げと一緒に飲み込んだ夜だった。

もっと損をするのは、緊張を隠そうと鎧を着込む人。
早口で仕事の実績を並べ続けた男性の卓は、五分で静まり返りました。
ポンコツ化そのものより、それを隠す自慢話のほうが人を遠ざける。

本気の緊張は、言葉にしないと好意として届かない。
運営を始めてから、まさかと思うほど何度も見てきた光景です。

固まったあとに巻き返した人がしていたこと

巻き返す人は、緊張を隠しません。
いま、すごく緊張してます、と先に口に出す。
言われた側は笑って、肩の力を抜いてくれる。
弱みを見せられると自分も見せやすくなる、自己開示の返報性。

ボードゲームの回で、ルール説明を五回噛んだ男性も忘れられない。
帰り道、気になっていた女性に送った文面がこれ。
「今日はだいぶポンコツでしたね。次は噛まずに説明させてください」

返ってきたのは笑顔の絵文字と、次の日程。
失敗をその日のうちにネタへ変えられる人は強い!

告白の途中で言葉が飛んだ女性は、翌朝に文章で言い直した。
昨日の続きです、という書き出しで。
やり直しのきかない場面は、思うよりずっと少ない。

やらかした夜、布団で悶えるのは本人だけという事実も添えておきます。
自分の失敗は思うほど見られていない、スポットライト効果という現象。

私も開会のあいさつで会場名を間違えたことがあるんだけどさ。
終わった、と青ざめたのに、覚えていた参加者はゼロ(泣)。

準備で減らせる緊張だってある。
企画職の彼女は、次の回から聞きたい質問を一つだけ用意してきた。
沈黙の怖さが半分になった、と報告をくれたよ。

彼氏や彼女がポンコツすぎてイライラする時に見るところ

かわいいがイライラに変わる日

交流会で知り合って付き合った女性から、半年後に電話が来ました。
彼氏がポンコツすぎて最近笑えないんです、と。

付き合いたての頃は、財布を忘れてくる姿さえ愛おしかったそう。
いまは旅行の予約も記念日の店選びも、全部彼女の担当。

受話器の向こうでため息。
「恋人というより、お母さんみたいで」
あの時の声の疲れ方が、まだ耳から離れない。

恋愛の満足度を扱う、衡平理論という考え方を借りますね。
与える量と受け取る量の釣り合いが崩れると、与えすぎた側に不満が溜まる。

彼女のイライラは、愛情が冷めた合図ではなかった。
荷物が片方の肩に寄りすぎている、という知らせです。
だからイライラする自分を、冷たい人間だと責めなくていい。

結婚したら家計も家事も一人で抱えるのでは、と想像が先回りするのも当然の流れ。

立場が逆の相談も届きます。
彼女の鍵も切符も預かる係になった、と苦笑いした三十代の男性。
性別が入れ替わっても、疲れ方は変わらないみたい。

世話を焼くほど、相手の抜けは育つ

カウンセリングの世界で知られた悪循環があります。
片方が先回りして動くほど、もう片方は動かなくなる、というもの。

忘れ物を届け、予約を代わりに取り、寝坊の電話をかける。
優しさのつもりが、相手から練習の機会を取り上げていたんですね。

では手を引いたら、何が起きる?
相談の彼女は、次の旅行の手配をまるごと彼に預けることにした。
結局、宿は押さえたのに新幹線の席は別々。

彼は自分で調べ、自分で謝り、帰りは隣同士の席に替えてもらった。
じわじわ見直しました、と彼女。

預けるなら、しくじっても笑える用事から。
途中で口を出したくなっても、そこは我慢。

別れるか続けるかを決める三つの確認

一つ目は、困っていると伝えたあとに行動が少しでも動くか。
完璧に直らなくて構いません。
リマインドを自分で入れる、その程度の変化で十分。
一度の結果では決めず、三回目あたりの様子まで見る。

二つ目は、ありがとうとごめんが照れずに出てくるか。
言葉が出る人は、次の行動も出やすい。

三つ目は、お金と約束で実害が出ていないか。
貸した額が増えていく、大事な予定を何度も飛ばされる。
ここまで来ると、愛嬌の範囲を超えています。

結婚を考える段階なら、抜けの量より指摘された時の反応を見てほしい。
結婚生活は、小さな失敗の後始末が毎日つづく場所だから。
イベントが縁で結ばれた夫婦の夫は、いまも忘れ物の常習犯です。
玄関のドアに確認の一覧を貼ったのは、妻ではなく夫本人だった。

伝え方にもコツがあって。
「なんでいつもそうなの」は、相手の人柄ごと否定する言い方。

夫婦を何十年も追った、心理学者ゴットマンの研究を思い出します。
人格への批判と見下しが、別れの前触れに挙がっていました。

責めるなら行動だけにする。
金曜の予約を前日に確認してくれると助かる、くらい具体的に。

伝えても三つとも動かないなら、離れる選択を責める人はいません。
愛嬌は、相手の我慢の上に乗せるものじゃないから。

ポンコツなまま恋愛を進める人がしていること

抜けは隠すより先に渡す

うまくいく人ほど、早い段階で自分の抜けを申告している。
乗り換えが苦手なので遅れたらすみません、と待ち合わせの前に送っておく。
受け取った側は、乗り換え案内の画面を黙って送ってくれたりする。

先に知らされた失敗は、相手の中で事件になりません。
予告つきのドジは、むしろ会話の種。

直す抜けと、残していい抜けを分ける

全部を直そうとした人ほど、途中で息切れしていく。
手をつけるのは、相手に実害が出る抜けだけでいい。
遅刻、お金、約束。
直し方は、反省より道具に頼るほうが長続きする。

目覚ましを三つに増やして、遅刻だけ消した女性がいます。
言い間違いの多さはそのまま残り、いまも卓の人気者。
早とちりや不器用さまで削ると、愛嬌まで一緒に消えかねない。

苦手の隣に得意をひとつ置く

予約が苦手な人は、当日の荷物持ちを買って出る。
段取りに弱いなら、相手の話を最後まで聞く役に回ればいい。
釣り合いは、同じ種類の働きでなくても取れるんです。

集合場所をよく取り違える常連の男性は、片付けになると誰より先に椅子を運ぶ。
彼を悪く言う人に、まだ会ったことがない。

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